昔から、足下を見られる…というように、足下は気になるものです。しかし、他人様は、それほど気にしていないのが実情のようです。ほとんどの場合、お着物に目がいってしまうので、足下までは…めがいきにくい…という感じでしようか。しかし、お履きになるご本人が気になると、颯爽と歩くことができにくくなりますので、修理して好ましい状態にしておく方が良いかも知れません。★お着物の場合には、颯爽と歩くのはまずいかも知れません。いつもより上品に小股で歩くと、もっときれいに映ることになります。
左下の写真のようになったら、修理が必要です。左の写真は底がハガレています。歩きにくい…というより、つまずいたりしますので危険です。できるだけ早く修理をなさってください。転倒などの原因になります。
右下の写真は、素材の劣化によって底の素材がベタベタになったもので、気にしなければ履いていただけますが、石などがくっついたりめり込んだりして、歩くのに不都合が起こりそうです。底がハガレてくれれば、張り替え…になりますが、しっかり着いている場合は、ムリのハガスとコルクまで剥がれてボロボロになることがあるので、
ベタベタ部分を削り取って、その上に底材を張らせていただきます。
下左の写真は、先ツボ=前緒の素材が劣化したために、表面がハガレています。基本的にはこの部分を交換することになります。しかし、多くの場合、鼻緒本体のウケ(裏側)の素材も劣化していることがあります。このようなときには、先ツボだけ交換するか、鼻緒を交換するか…ということになります。
★原因のひとつは、大切にしすぎる??ことがあります。合成皮革の素材は、湿気に弱いので、お履きになってすぐに大切なしまうと「湿気」が素材を変化させてボロボロになります。お履きになった後3〜4日は、風を当てて、湿気をとばしてあげてください。そして、奥にしまわずに、たまにはお草履の顔を見てあげると、健やかお草履が続いてくれると思います。
真ん中の写真は、カカトゴムという部品が減りすぎて取れてしまって、お草履本体まで削れてしまった状態です。
多分、途中で悲鳴を上げていたのだと思いますが、無視されたので、減ってしまったのだと思います。すぐにカカトゴムをつけてあげてください。状況にもよりますが、キズを目立たなくするようにはさせていただきます。
下右のお草履は、多分、中国製のものだと思います。日本の職人さんは、赤い枠の部分にコルクが削れないように当て物をします。当て物がないと、コルクが削れて鼻緒がゆるくなり、歩きにくくなります。このようなお草履にぶつかったときには、薄い革をのせて芯縄が食い込まないように処理してお返しするようにしています。
昔のお草履の方がていねいに感じがしています。ただ、材料がない時代にできたお草履は、ギリギリ工夫は見られて頭が下がる思いですが、経年劣化…ということもあって、ご希望のお応えできないこともあります。特に、お母様のお草履を自分が履いて、お嬢様にも履かせたい…というようなご希望には、ギリギリお応えしててますが、満足いくような補正・修理をお返しできないこともあります。可愛がっていただいているお草履や下駄は、拝見して分かることが多いので、何とか…という気持ちにもなります。
★いろいろご都合があると思いますが、できれば、お草履の借用はおやめになっることをおすすめいたします。
外からは大丈夫でも、素材が劣化していると「底がベタベタ」や「鼻緒のうらのハガレ」「胴にヒビが」というようにことが、簡単に起こります。ご注意ください。
お草履のことでご不明の点がございましたら、お問合せください。修理依頼に関係なく、当方で分かることはお答えさせていただきます。