はじめに、ご自分で修理される方にお願いです。草履や下駄を調整・修理するためには、金属の鋭利な道具を使うことになります。くれぐれもケガをなさいませんように、ご注意ください。
お草履の調整の場合は、底のフタ(金属で留められている)を開けることが必要です。少ししっかりした目打ちのようにもので、外してください。(前も後も同じです)
★もし、金具を外しても前緒の芯縄(麻のヒモ)が見えない場合は、調整のしようがないときがあります。
写真のようなお草履も、調整は簡単ではありません。天(足の乗る部分)に鼻緒をつけて接着しています。
このときの修理依頼では、天がハ
ガレかけていたので、調整せずに、
天を再接着させていただきました。
指が当たって痛い…の原因は、鼻緒の中の芯になります。この芯をペンチなどで上下からはさんでツブスようにすると、柔らかくなって当たりがソフトになります。
先ツボ=前緒がキツいときには、前緒を傷つけないようにして、ペンチなんどでテコの原理で引き上げると、少し伸びてゆるくなります。ムリして引き上げると、お草履によっては、芯縄が切れたり、もともと調整できないお草履であることもあります。
全体がキツい感じのトキには、写真の真ん中のように、両手で後ツボを引き下げるようにすると、ゆるくなることがあります。一度にグングン引かずに、少しずつ調整してみてください。★朝の足と午後・夕方の足が変化しますから、その辺も考えて調整なさってください。
一番右の図は、下駄のときの芯縄の留め方の図です。お草履の場合には、回転座金…という部品が入っていますので、その金属をまたぐように芯縄を結んでください。ご自分で調整されると、いつでも良い感じで履いていただけるようになります。くれぐれもケガをなさいませんように…。